下肢静脈瘤とは
leg varicose veins
下肢静脈瘤とは、足の静脈(血管)に血液が逆流して膨らみやねじれが生じる病気です。
通常、足の静脈には血液が心臓に戻るよう「逆流防止弁」が備わっていますが、長年の立ち仕事や加齢、妊娠・出産などの影響により、この弁が壊れると血液が足に滞り、静脈がふくらんで皮膚の表面にボコボコと浮き出た血管が見えるようになります。
見た目の変化だけでなく、足のだるさ・むくみ・こむら返り・かゆみ・ほてり感など、日常生活に支障をきたす症状を引き起こすこともあります。
欧米日本では成人の20〜70%が下肢静脈瘤を有すると報告されており、年齢とともに発症率が高まることが分かっています。また、女性に多くみられますが、長時間立ち続ける職業やデスクワークで同じ姿勢が続く方にも多く発症します。
初期は見た目の変化だけでも、進行すると以下のような症状が現れます。
足のだるさ・重たさ・むくみ
夜間のこむら返り(足がつる)
皮膚のかゆみ・色素沈着
慢性的な疲労感
下肢静脈瘤は、命の危険を伴う病ではありませんが、放置すると皮膚炎や潰瘍(皮膚がただれる)などを引き起こす場合もあります。見た目の改善だけでなく、早期の受診・治療が大切です。
下肢静脈瘤の原因
Causes of varicose veins
下肢静脈瘤の主な原因は、足の静脈にある“逆流防止の弁がうまく働かなくなることです。
健康な状態では、この弁がしっかり閉じて、血液が下から上へとスムーズに心臓へ戻るようにサポートしています。ところが、加齢や立ち仕事などで弁が弱ったり壊れたりすると、血液が重力に引っ張られて下に戻ってしまい、足の静脈の中に血液がたまってしまいます。
こうして血液がうっ滞(滞る)すると、静脈の中の圧力が少しずつ高くなり、やがて血管の壁が押し広げられて、ボコボコと血管が浮き出て見えるようになります。
主な原因としては以下が挙げられます。
長時間の立ち仕事・座り仕事(美容師・販売員・看護師など)
妊娠・出産(ホルモン変化や腹圧の上昇)
加齢(血管や弁の弾力が低下)
肥満・運動不足(血流の悪化)
遺伝的要因(家族に下肢静脈瘤がある)
このように、下肢静脈瘤は生活習慣と血管の老化・体質が複合的に関係する病気です。
下肢静脈瘤の種類
Type of varicose veins
下肢静脈瘤には4つのタイプがあり、症状や見た目も異なります。
それぞれは側枝型静脈瘤、伏在型静脈瘤、網目状静脈瘤、クモの巣状静脈瘤と呼ばれています。
伏在型静脈瘤
最も一般的なタイプ。太ももやふくらはぎの太い静脈が逆流し、血管がボコボコと浮き出ます。
側枝型静脈瘤
主幹から分かれた枝の血管がふくらむタイプ。立つと目立ち、横になると消えることもあります。
網目状静脈瘤
皮膚のすぐ下の細い血管が網目状に拡張。青紫色に透けて見えるのが特徴です。
クモの巣状静脈瘤
ごく細い血管が赤や紫に広がる軽症タイプ。美容的な悩みで受診される方も多いです。
下肢静脈瘤セルフチェック
varicose veins self-check
1つでも該当する方は下肢静脈瘤かもしれません。
足が痛い、だるい、重い、疲れやすい
足のむくみやだるさが気になる
ふくらはぎがムズムズ、かゆい
足の血管が浮き出てみえる
足のむくみや冷えが続く
足がつる(こむら返り)
こむら返りが痛くて、夜中起きることがある
足の血管がボコボコしている
足の痒みがおさまらない
足にコブがある
足に色素沈着が増えてきた
治りにくい皮膚のただれがある
足の皮膚に潰瘍がある